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ヘイト・クライム –憎悪犯罪が日本を壊す-
前田朗、三一書房労働組合、2010


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 2010年2月24-25日人種差別撤廃委員会が、2001年に続く二度目の日本政府報告書の審査を行った。
 中井拉致問題担当大臣が高校無償化法案に関連して「朝鮮学校を無償化の対象からはずす」という発言をした。これについても委員会議では、これは差別にあたると指摘があいついだ。

 日本ではいまだに人種差別の概念定義も、人種差別禁止法の制定も、在日朝鮮人に対する差別問題も、取り組まれていない。

 1988年、世界人権宣言40周年を期して、在日朝鮮人・人権セミナーが立ち上げられた。その活動の中で作られてきたのが本書だと、後書きに言う。

 「政府が社会に対して、朝鮮人は差別してもいいんだというメッセージを発してきた。」148

 ・ 朝鮮学校差別
 ・ 外国人登録法
 ・ 公安警察による弾圧

 そのような植民地支配に由来する人種差別がいまだに続いていることが、現在のヘイト・クライムにつらなっている。

 尊厳、権利、正義、信頼、連帯といった言葉の価値が、剥奪される。日本が壊れていく。

 「差別は暴かれるべき<罪>なのではなく、むしろ治癒されるべき<病>なのであれ、差別者とは、暴力的存在である前に、不安におののく者なのである。」郭基煥『差別と抵抗の現象学』52

 日本という巨大な密室におけるドメスティック・バイオレンス  48

 国連は反人種差別モデル国内法を公表しているという。『市民が使う人種差別撤廃条約』91

 2001年のターバーン宣言。

 ヘイト・クライムは、社会における従属集団がよりよい地位を得ようとして優位・列意の「自然な」関係を脅かすと、支配を再確立しようとして用いられる「道具」である。113

 しかし、これだけの説明では、ヘイト・クライムを説明できない。偏見が否定的な行為につねにつながるわけでもない。一方で、特に、この犯罪はその継続性と、被害者への影響、被害者の所属するコミュニティへの影響によっても特徴づけられる。にもかかわらず、朝鮮学校に対して、スピーカーを使って大音量で、集団で、差別発言・罵声をあびせる行動をとる人びとが野放しにされたのが、2009年12月4日の現実なのである。

 法や警察は子どもを守ってくれない。

 これで日本に人種差別はないというのは、無理だろう。

 日本政府が人種差別撤廃条約を批准したのが条約締結から30年後の1995年。最初の報告書は1997年1月締め切りであったはずが、2000年1月に提出された。そして、2001年3月 8-9日、委員会による審査。日本政府は以下のような主張をし、不適切であると指摘を受けている。

 ・ アイヌは日本人より先に住んでいたが、先住権のある先住民族かどうか判断できない。
   →その後見解を改め、ア
  イヌを先住民族と認めるようになった。
 ・ 沖縄、被差別部落、中国帰国者については適用対象ではない。

 また、在日朝鮮人が市民的政治的権利を制限されていること、バイリンガルな教育を受ける権利についても、指摘がされている。

 とてもよいできの本です。いまなら、三一書房労働組合から1300円で購入できます。ぜひ、どうぞ。
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